ポジティブでちょっとエロいお姉さんが大学院留学を 目指す日記

メンエスのお仕事、日々の勉強、考えたことを綴っていきます。

メンエス日記~悩める医学生~

26歳のT君が来店したのは、連休の中日。
地方の公立大学の医学部に通っていて、長期休暇を利用して地元に帰ってきたところで、友達と飲みに行った帰りとのことでした。
 
いつも通り、新規のお客様なので、誓約書を一読の上、日付を入れて署名を頂く。
 
私「こちらに今日の日付をお願いします。」
T君「今日って、、、何年??」
私「2019年ですよ♪」
T君「そっか。俺、いつも色んな事考えてて。考えすぎて、そういうこと分からなくなるんだよな。俺、頭良すぎてさぁ。」
 
 
へ??
 
 
急に、俺様発言。頭がいいと西暦もわからなくなるのか?よく分からないけど、とりあえずシャワー室に送り込む。
綺麗になったT君をマットレスの上に寝かせて、タオルをかけて指圧。
 
私「T君、若いけど、メンエスってよく行くんですか?」
T君「いや、行ったことないんですよね・・・」
私「え??じゃあ、ここ、なんだと思って予約したの?」
T君「普通のマッサージかなと思って予約したんですけど、このパンツ見て、あれ、そーゆーお店なんかなって思いました。。。」
 
シャワーを上がったお客様が履くのは、小さな小さな紙のTバック
 
私「そーゆーお店って何?ここは風俗じゃないよ♪」
T君「そうなんですね、まあ大丈夫です」
私「特に疲れてる所かありますか?」
T君「頭が疲れてます。色々と考えちゃって。。。」
 
うわ、でた、頭使う発言。
なんだそりゃ。
 
仕方ないからその辺を聞いてあげることにする。
90分黙ってマッサージよりは、会話をした方が楽しい。
 
私「どんなこと考えてるの?」
T君「勉強のモチベーションが無くて。俺、頭はいいから、やる気になったらできるんだけど、どうしてもその気になれなくて。話していいっすか?」
 
そして、T君の身の上話が始まる。
 
まず、彼は、地方の公立大学の医学部の6年生で、医師国家試験が控えている身。
もともと、心理学に興味があり、精神科医を目指して医学部に入った。
たしかに、精神科っぽい(笑
なんか、精神科の先生は、その人自身も悩みを多く抱えているイメージ。あくまでイメージ。
 
高校3年生の時は、某有名大学の▲▲学部で心理学を学ぶことを目指していたが、残念ながら不合格。その後、実家で1年間の浪人時代を過ごす。
低所得の家庭で育ちで、実家は集合団地にあったというT君。
浪人生活1年が経過し、センター試験を翌日に控えた時、どうしても夜に眠れなくなり、団地の付近を散歩に出かけた。
 
T君「寝れなくて、夜、寒い中散歩してたんですよ。そしたら、エロ本が大量に捨てられてるの見つけてたんです」
 
ふむふむ。1年間の浪人生活してたら、妄想位しか楽しいことは無いでしょう。昔、なんかのコマーシャルで、受験生が、ワンピースで剣道してるお姉さんの妄想しているシーンがあったような。その頃はなんのことやらわかんなかったけど。
 
T君「一回家帰って寝ようとしたんですけど、やっぱりそのエロ本のことが頭から離れなくて。取りに戻った方が良いのかな、明日の朝には無くなってるかな。でも寝ないとな、って。」
 
結局、理性よりも性欲が勝ち、エロ本を取りに行ってしまったそう。
(この時、マッサージは後半に入り、あおむけになって膝下を触っている。)
 
T君「それで、部屋に戻って鏡見たんですよ。そしたら、後ろから、女の人がばああああああーー!!って出てきたんです!!!」
 
 
上半身を起こして、飛び出す女性を再現。
 
 
私「きゃあああああああ!!!!!」
 
 
話しが佳境に入っていたのと、急に上体を起こして迫って来られたので恐怖で叫ぶ。
 
T君「お姉さん、ごめんなさい。大丈夫?」
 
謎に心臓をバクバクさせている私をなだめてから、話を続ける。
 
鏡の向こうから飛び出してきた女性に驚いたT君は、必死にお母さんに助けを求める。
そして、翌日。センター試験当日。
 
T君「国語も、まあ、9割くらいはできてるかなって思ったんです。自己採点で。でも、2問目以降、全部マークミスしてたんです。」
 
どこかで一つずれてマークしてしまっていたのでしょう。
結局、希望していた大学は足きりで入れず。
 
T君「それでも、探してたら、後期に、ギリで今の大学に入れたんです」
 
そして、その医学部で6年間学び、医師国家試験を控えてるのだけど、どうしてもその気になれない。どうしたら良いのだろう、と悩んでいる所。
 
T君「お姉さんって、大学とか行ってるんすか・・・??」
 
一般的なイメージだと、もしかしたら、こういうお店で働いてる人は低学歴なんでしょうか。よく聞かれる質問の一つです。
 
私「実は、私は、T君が最初に行きたいと思ってた○○大学の▲▲学部出身だよ♪」
T君「え!!!!!!」
 
再び状態をがばっと起こす。
 
T君「そうかー、やっぱり、なんか賢いと思ってたんだよなぁ!!!」
 
正直、▲▲学部は変人の集まりで、さほど世のため人のためになる学問を追求する学部ではないけれど、入試の大変さから言うと驚かれるレベルでしょう。
 
ちなみに、大学は、ここには書きたくないけど、東大・京大・早慶くらいの感じです。
 
T君「お姉さん、ここ来る前ってどんな仕事してたの?」
私「外国で働いてましたよ。英語の他にもう1か国語話せるんです」
T君「すごっ!!何か国くらい言ったことあるの?」
私「仕事とプライベート合わせたら40ヶ国はあるよ」
T君「!!!!!まさか、マッサージのお店で、40ヶ国も行ったことある人に出会うとは思ってなかった。そもそも、そんなに行ったことある人なんて日常で会えないし。」
 
私は、自分の学歴とか、今までの経験をそんなに人に自慢するつもりはありません。でも、やっぱり、メンエスだと、女の子を下に見てくるお客さんはいる。
そんな人たちに、彼らが鼻にかけているだろう学歴とか、ビジネススキルとか、経験を認めてもらえるのはやっぱりうれしい。私は男に媚び売ってここまで生きてきたわけではない。
 
やっぱり、学歴は、人に認められる項目の一つ。
 
私「精神科医になるかならないか悩んでるんだとしても、とりあえず試験は受けた方が良いよ。そんなに裕福じゃない中で、浪人させてもらって、6年も大学行かせてもらったんだから、とりあえず親に感謝もしないと。それに、将来何にするにしても『医師』って肩書があった方が話は聞いてもらえるよ。今のままだったら高卒になるんじゃない?」
 
と、私なりに精一杯のマトモなアドバイスをする。
 
ちなみに、医師免許を取得しなくても、大学は出るので高卒にはならないらしい。
 
T君「そうっすねぇ。お姉さんと話せて良かった。Line教えて!!」
 
もちろん、それは教えません。
 
「勉強頑張ってね♪」と、声を掛けて、お別れしました。